物質的豊かさへの渇望など
土日休みでボーナスあり、有給が取れて20代で年収300万乗る仕事にありつけることが勝利なのか。
金や待遇のことばかりを考えると拝金主義かのように感じることがあるが、上記はそれほど欲望にまみれた発想だろうか。
そのうえ、満員電車に揺られることなく仕事ができればどれほど喜ばしいだろう。
郊外の家から1時間以内の通勤時間であるとなお良い。
その程度の欲は容認されてもよいのではないだろうか。
ここまでは待遇の話をしてきたが、更に自分に合った仕事であれば、これほどの喜びはない。
私はようやくここまで来て、豊かさの本質を議論するテーブルにつくことができるのではないかと考えている。
私は恒産なくして恒心なしという孟子の言葉が好きだ。
私は人類に対しては、性善説を指示している。
しかし、人間は物質的に貧しくなると心まで貧しくなる。
心の錦も飢えには勝てない。
日本の戦後闇市で売買をせずに餓死する道を選んだのは一部の思想家だけだ。
幸いにして今の日本はそれほど餓死する可能性は高くない。
それは真綿で首を締めるような状態が続いているだけかもしれないが、中卒でも仕事はあるし、職を失っても生活保護等の社会保障もある。
沈みゆく船に乗っていることは間違いないが、世界を俯瞰で見れば、それほど日本は悪くない。
現在OECDの加盟国のなかで、日本の経済成長率が34カ国中33位のようだ。
この内容だけ見れば、悲観してしまうような内容だが、29位にはアメリカ、そして最下位である34位は、かのIT先進国エストニアだ。
ただ、沈みゆく船底の穴を塞ぐことも必要だろう。
自分たちがこの国で生きやすくするためのマイナーチェンジをしつつ、本当の豊かさを議論するテーブルを目指していきたい。